ニキビの正式名称は「ざ瘡」(「ざ」はヤマイダレに坐)といい、顔面や胸部・背部などの皮脂分泌の多い部分の毛穴が細菌感染などで炎症を起こした状態を指します。
 以前は、十代の若者がかかるものとされてきたニキビですが、二十代後半・三十代・四十代になっても(特に女性には)出現することは珍しくありません。そして、同じニキビでも、思春期頃にかかるものと成人女性がかかるものとは、その性質や発症の原因が違っています。ですから当然、その対処法・治療法も違ってきます。
 ここでは、思春期にかかるニキビと成人女性がかかるニキビ、そしてその他の特殊な原因のニキビにわけて説明をしていきます。
思春期にかかるニキビ
思春期では、毛包に付属する皮脂腺から非常にたくさんの皮脂が分泌されます。また、もともと人間の皮膚や毛包には、常在菌といっていろいろな菌が存在し、いわば、おとなしく暮らしている状態になっています。しかし、皮脂が過剰になると、それをエネルギーにする菌が過剰に増えてしまい、これがニキビになるわけです。
ですから、その対処法としては、
  1. 脂っぽい食物の摂取を控え、皮脂の分泌を抑えること。
   スナック菓子の油や過剰な糖分の摂取もよくありません。
  2. 洗顔をまめに行い、皮脂を取り除くこと。
   毛穴の奥の皮脂を除去するためにはケミカルピーリングなども効果的です。
 またこの時期のニキビは、ある程度の年齢までは出てくるのが当たり前のものですから、あまり気にしすぎるのも考え物です。ただし、細菌が繁殖して大きく膿んでくると、治った後も瘢痕として残ってしまい、特殊な治療をしないと治らなくなってしまいます。ですから、一つ一つのニキビが大きく膿んでくる様になったら、積極的に治療を始める必要があるといえるでしょう。 治療としては、化膿の程度がひどいものは抗生剤の内服をおこなったり、穿刺して膿やたまった皮脂などを圧出したりします。ただし自己処置でにきびをつぶすのは、二次感染や瘢痕のもとになります。圧出は必ず慣れた皮膚科医師におこなってもらってください。
成人女性がかかるニキビ
 思春期のニキビはTゾーンなどの脂漏部位にでることが多いのですが、年齢を重ねるごとにニキビが下のほうへ下りてきて、口の周りやフェースラインに多くなってきます。これが成人女性がかかるニキビで、特徴としては、
  ● 生理の前に悪化する
  ● ストレスで悪化する
  ● 産毛が濃くなるなどの症状が併発する
ことなどがあげられます。
 原因としては、生理前に増加する黄体ホルモンや、ストレスにより副腎から分泌される男性ホルモン類似ホルモンがあげられます。これらのホルモンによって、皮脂が過剰に分泌されてしまったり、また産毛が男性のひげに近く硬毛化することによって毛穴の皮膚を傷つけて炎症をおこしてしまうのです。
 このタイプのニキビには、日常生活上こう気をつければ治る、というものはなかなかありませんが、
  1. 睡眠時間をきっちりとるなど、規則正しい生活をする
  2. ストレスをためない
  3. 毛を抜いたり剃ったりという自己処理を控える
などが有効です。
その他特殊な要因のニキビ
 上の二つの他にも、ニキビは様々な原因で出現します。
 ざっとあげると、
  1. 化粧品(特に基礎化粧品)を変更した際の皮膚反応
  2. 金属・油・有機溶剤などのアレルギー
  3. 食品添加物・合成着色料が経皮排泄される際の炎症
  4. 精神的ストレス
  5. 花粉症
まだまだあると思いますが、原因があるものは、原因を取り除くのが一番の治療です。
 しかし、病院に行って検査をすれば原因がわかるというものではなく、患者さんご自身のこまめな自己観察・自己分析が診断の一番の手がかりです。
ニキビの自費治療
 当院では通常の保険治療の他に、サリチル酸マクロゴールピーリングやロアキュテイン低用量内服療法による治療を行っています。
サリチル酸マクロゴールピーリングは、皮膚の新陳代謝を良くし、ニキビの出来にくい肌を造っていく治療で、どのようなタイプのニキビにも有効です。また、従来のケミカルピーリングと違い副作用がなく、どんな肌質の方も治療が可能です。
 ロアキュテイン低用量内服療法は、欧米で行われている治療を日本人向けにアレンジしたもので、少ない副作用で強い効果をあげることができます。
 ご希望の方、詳しく話を聞いてみたいという方は、お気軽に医師かスタッフにご相談ください。ただし、にきびの保険治療と自費治療とを同時に行う事は出来ません。この点につきましても医師かスタッフにご相談ください。