異汗性湿疹・掌蹠膿疱症

異汗性湿疹と掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、この二つは、まったく異なる疾患ですが、手のひらと足の裏に限局して出現することと、病因として金属アレルギーが関与する可能性があること、水虫(足白癬)と間違われていることが多いことなど共通点も多いので、ここでまとめてしまいます。どちらも、手のひらや足の裏が赤くなりますが、異汗性湿疹は小さい水ぶくれと激しい痒みが特徴で膿疱はでません。掌蹠膿疱症の場合は痒みがあっても強くないことが多く、常にあるというわけではありませんが周期的に大きさのそろった膿疱が出現します。

異汗性湿疹

一般的には、初夏など発汗量が多くなる時期に、汗管からの排出が悪く皮内に汗が溜まってしまうことが原因でおこるとされています。実際に、季節が変われば自然に治ってしまう人も多いのですが、中には長期にわたって症状が続いてしまう人もいます。そのような場合には、食物に含まれる金属や歯科金属などの内因的な金属アレルギーが原因であることもありますので、一度アレルギーのテストをなさることをお勧めします。治療は強いランクのステロイド外用です。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

一時期ある女優さんが難病にかかったと大騒ぎしてテレビなどに取り上げられたことで有名になった病気です。病巣感染(副鼻腔炎や歯槽膿漏、胆のう炎など)や喫煙が原因であることが多いのですが、特に原因なく発症する人も少なくありません。一度かかると治癒まで数年にかかることが多く、重症になると胸鎖関節などの関節痛がおこることもあります。病巣感染がある人は抗生剤投与を行いますし、喫煙者は禁煙することが一番です。いずれにも当てはまらない人は金属アレルギーのテストをしてみるのが良いでしょう。
治療は、強いステロイドやビタミンD3製剤の外用ですが、重症例には乾癬に準じた強い内服薬を用いることもあります。また、前述の女優さんがビオチン(ビタミンH)で治ったと喧伝しているため、ビオチン療法を希望する方もいらっしゃいます。まだ医学的に根拠のある治療ではないのですが、無害なお薬なので試しに飲んでいただくと、意外に効果が出る方もあるようです。
また当院では、エキシマライトという副作用の少ない紫外線を用いた治療も行っています。

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