頭しらみ

頭髪に寄生するしらみってどんな病気?

保育園や幼稚園、小学校などで流行しますので、小さいお子さんをお持ちの御家庭ではよく耳にする名前だと思います。実際に中央林間近辺の小学校・保育園でも定期的に流行しています。
しらみは、皮膚から血を吸い繁殖します。数が増えてくると、まず痒くなり、引っ掻いているうちに湿疹の様になってきます。
文献などには、探せば頭皮・頭髪部を移動する2-3mmの成虫がみつけられるとありますが、頭しらみは毛じらみ(陰部のしらみ)と違って案外動きがすばやく、簡単には発見できません。しかし、頭しらみは後頭部側頭部の髪の毛に卵を産み付けますので、卵があれば診断ができます。卵は、一見フケに似ていますが、独特の光沢があるので一度本物の卵を見た人ならまず見間違えることはないでしょう。

どうやってうつるのでしょうか?

しらみは大体8日で卵から孵化し、2-3週間で成熟し、産卵を開始します。1日に5-8個の卵を産むので、あっという間に増えてしまいます。また、皮膚から離れて血を吸えなくなっても、2-3日は生きていますので、寝具などを介して家族や子供同士で感染が広がってしまいます。通常の洗髪などでは虫を殺せませんから、本人の衛生状態にかかわりなく、つまりどんなに清潔にしていても、感染してしまいます。

頭しらみに感染しないためにはどうすればよいでしょうか?

基本的に、頭しらみは髪の長い人にうつります。短髪にしていれば、感染の確率はぐっと下がります。とはいえ、女の子の場合はそうもいきませんから、学校などでしらみが流行っているのなら、三つ編みや編み込みにするなどすれば、うつりにくくなるでしょう。
成虫は整髪料の臭いを嫌うので、沢山つけておくと良いとも聞きます。学術的に確認された話ではないのですが、大人より子供に圧倒的に多いことから考えて、ありうることだと思います。
寝具などは、60度の熱湯につければ虫も卵も死にますので、可能であれば熱湯に10分ほどつけて殺虫すれば、いうことはありません。
しかし、どんなに頑張ってもおうちのもの全てを60度にすることはできないでしょうし、あまり神経質になるのも考え物ですから、しっかり掃除をするとか、感染した人とは寝具を共用しないとか、できる範囲で取り組んでいくのが良いでしょう。

では、残念ながら頭しらみに感染したらどうすればよいですか?

まずは、感染したかどうかは、皮膚科専門医に確定診断をしてもらってください。ポイントは、後頭部と側頭部の髪の毛の根元の1cm程度に付着している、一見フケのような白から茶色の粒です。フケと違ってふっくらしているのと、光沢があります。診察を受けたときに、どれが卵でどれがフケなのか、教えてもらっておくと後々、自宅でも治療効果が判定できます。
頭しらみの診断がついた場合ですが、基本的に病院ではお薬をもらえません。薬局で市販のスミスリンシャンプーという殺虫剤入りのシャンプーを買ってもらうことになります。

スミスリンシャンプーとは

スミスリンは蚊取り線香などに含まれるピレスロイド系殺虫剤の仲間で、これを農薬だから使わないほうが良いという人たちがいます。考え方は人それぞれですが、蚊に刺されないように蚊取り器を使う人が、もうしらみに感染しているにもかかわらず薬を使わないというのは非常にナンセンスな話だと思います。今のところ、スミスリンシャンプーによる重篤な副作用はありませんし、スミスリン以外の治療法は、スミスリンを使った治療法に、理論的にも経験的にも効果が劣ります。
このシャンプーを髪の毛で泡立てて5分放置した後に洗い流します。小さいお子さんにはシャンプーハットなどがあったほうが便利でしょう。これを3日おきに繰り返します。(あまり厳密に考えなくても良いです。)このスミスリンシャンプーは、親虫を殺しますが、卵は殺しません。卵は8日で孵化し、孵化した虫が卵を産めるようになるまで2週間はかかりますから、しっかりと治療できれば3-4回の程度の治療で、とりあえず完治ということになります。(もちろん、またいつうつってきても不思議ではないのですが、)
ただし、このスミスリンシャンプーにもいくつかの問題点があります。まず一番は、結構なお値段であるということです。1本(通常4回分)2700円くらいです。次に、やっぱり髪の毛は少しきしみます。最後に、卵をすきとるための櫛がついていますが、これが、まあ、おまけ品ですのでかなりがっちゃいです。卵は漉き取らなくても、シャンプーを続ければ成虫になった時点で殺虫できるのですが、やはり髪の毛の中に100個も200個も卵をつけて生活するのは気持ちの悪いものですから、できるだけ卵も除去していただいたほうがよいでしょう。確実なのは、卵のついた髪の毛を1本1本切っていくやり方です。また、もう少し性能の良い櫛も、インターネットなどで買うことが出来ます。クリニックに見本がありますので興味がある方にはお見せしますが、広告に書かれているほど良いものというわけでもなさそうです。

しらみは心配な病気ではありません

残念ながら、頭しらみがこの世の中からいなくなるということはなさそうです。しかし考えてみれば、これは風邪が流行るのと同じようなものですから、ある程度の予防と、早めの治療を心がけていれば、命にかかわるようなものではないですから、決して心配な病気ではありません。

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